「この音楽の値段は、いったいいくらだろう」

楽曲集(※どうも「アルバム」という言葉がしっくりこないのです(笑))「gradients」をリリースして、
正直なところ、この形でまさかお金を支払う人などいないだろうと思っていたところ、大変にありがたいことに数名、本当にお金をお支払いいただいて、ご購入いただけました。
なんだか、自分でも驚くほどに嬉しく思うと同時に、気持ちの引き締まる思いがしました。ありがとうございました。

そんな折、「支払いたいのですがクレジットカード持ってないから払えないのですが…」という、ちょっと嬉しいお言葉をいただいたので、そのあたり、思っているところを少し書いてみようと思います。

 

私は仕事もある身ですし、生活のために音楽を作っているわけではありません。
単純に、半分は自分自身の楽しみのために。
半分は、もしかして自分の作るものが、誰かに何かほんの少しでもよい方向に影響を与えて、世の中がちょっとでも素敵になるとか、そんなことが起きたらいいな…とか、そんな夢みたいな事のために音楽を作っているだけです。

そんなわけで、正直なところを言うと、自分の作った音楽からあまり大きなお金などいただいても困ってしまいますし、あなたが一所懸命に働いて得たお金ならば、できるだけあなた自身や、あなたの身近な大切な人たちのために使ってほしいと思います。

ただ、同時に、一人の音楽制作者として、表現をする者として、いったい自分の作るものに、どれほどの、どんな価値があるのか、どんな価値を感じていただいているのか。
それだけは、もしできることならば、知ることはできないかな。
そんなことを思って今回、「値段を購入者に委ねる」ということを選ばせていただきました。
つけていただいた金額から、どれくらいの価値を感じていただいているのか、きっとわかるでしょうから。

 

…でも、こういう形にしておいてなんですが、正直なところ、自分の産み出した価値の還元としていただくのは、「お金」という形である必要もないとも思っています。

たとえばちょっとした、心のこもったメッセージとか。
たとえば私が何か困っているときに、手をさしのべてくださるとか。
たとえば私の音楽を、身近な誰かに薦めてくださるとか。
たとえば私が好きになりそうな音楽を紹介してくださるとか。
たとえば音楽を楽しんでいただいていることを、教えていただけるとか。
たとえば配信ページの文章などを英訳してくださるとか(笑

そんな、「私にとって嬉しいこと」を、何かひとつしていただければ、それがあなたの思う「価値」として、ありがたく受けとらせていただきたいと思っています。

…あ、「私にとって嬉しいこと」ですので、必ずしも私自身に対して、直接なにか還元していただく必要もありません。

あなたが受け取ったと感じた価値の分、あなたの身近にいる大切な人、見ず知らずの困っている人を喜ばせるとか。
あなたが受け取ったと感じた価値の分、あなたの手で、より面白い作品を作って世の中の人を喜ばせるとか。

私に何かをいただかなくても、私の音楽をきっかけとして、嬉しい気持ちになる人が、世の中に一人でも増えるのなら、そんな嬉しいことはありません。

 

お金っていうのは、「価値」と「モノゴト」との相互変換にはとても便利なものですが、それを間におかないと「モノゴト」と「モノゴト」の交換が行えないわけではありません。
お金ができる前は、いわゆる物々交換だったのでしょうし、今この便利な時代だからこそ、そういう、物々交換みたいなことも、もっとたくさんあっていいんじゃないかな。
そんなことを思います。

だから、たとえばクレジットカードをお持ちではない、とか、今は余裕がなくて、とか。どんな理由であれ、「お金」を間に挟めない/挟みたくないかたも、一切のご遠慮はいりませんし、変な負い目のようなものを感じる必要もありません。「0円」でダウンロードしていただいて、気持ちよくお楽しみいただけると嬉しいです。

そして、聞いて、楽しんで、その後で、もしよかったら、で構いません。ほんのちょっとだけ、考えてみてください。

「この音楽の値段は、いったいいくらだろう」

そして、そのお値段にあたる「価値」の分、作り手に還元したりするにはどうしたらいいか、どうしたら面白いか。
そんなことを、ちょっとだけ、考えてみたりしていただけたら嬉しいです。
私の作った音楽に限らず、今インターネット上にたくさんある、「0円」で聞くことのできる、たくさんの音楽についても。

 

…あ、もしそこでお値段が「マイナス」だったかたにはすみません。何かお戻しできるものがあったらいいのですが。
できれば次の作品などで、挽回の機会をください。

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